高ストレス者 放置することは危険

義務化となったストレスチェックを毎年実施していく上で、多くの担当者の方が課題と感じているのは、
【高ストレス者で医師との面接を希望していない人のアフターケア、フォロー】ではないでしょうか?

高ストレスと選定され、「医師との面接指導」を勧奨しても、希望される方は年々減少傾向にあるという声が少ないありません。 事実、部会等で、「複数回、または、継続して高ストレスと選定された方に対して、何も行わなくて良いのか?」という声が、年々高まってきているというお話を耳にするようになってきています。

担当者の中には「安全配慮義務を果たす」ことはしているつもりだが、「本当にこのままで大丈夫なんだろうか心配だ?」という声もあります。
もちろん、担当者の方は、【安全配慮義務を果たすこと】が一番の対策になるという事は十分にわかってらっしゃるはずです。安全配慮義務とは、従業員が仕事で病気やけがにならないために企業が努力することです。

ただ、メンタルヘルス疾患の予防で求められているのは、従業員の心に対する安全配慮ということになりますので少し異なりますよね。
注意しなければならない事は【メンタルヘルス疾患になることが予想できたのに何もしなかった】という問題になります。
これは【予見可能性】というのですが、最悪の事態を予想できたにもかかわらず、法人が何の措置も取らなかった場合にも問題化しやすい部分になります。

ストレスチェック未受検者がいる場合や、高ストレス判定者にも注意しなければなりません。
高ストレス判定の従業員を放置することは「予見可能性があった」として、対策を怠ると、最悪の場合、メンタルヘルス疾患の訴訟につながる可能性があるので注意が必要となります。


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ストレスチェックで事業者側がすべきこと
1.ストレスチェックを全員に受けてもらうために受検勧奨をすることが重要。

2.ストレスチェックをやりっぱなしにせずに、受検後もしっかりとフォローをする事が重要。

3.行動履歴は必ず証拠として残しておく事が重要。
例:
web受検の場合は、「全員〇月〇日までに受検して下さい」というメッセージを社内一斉送信のメールやイントラネットで通知。
紙媒体で受検の場合は、「全員〇月〇日までに受検して下さい」という内容の文を、回覧、掲示等で通知。この場合は、できれば、回覧した物に印やサインをもらっておくことが良いでしょう。

4.受検後も、web受検、紙媒体での受検、それぞれ、上記3の方法等で、「高ストレスと選定された方は産業医との面談が必要になりますと」、通知、回覧、掲示等、アナウンスして、履歴を残すのが重要。

高ストレスと選定された方の同意がないうちに、直属の上司等が1対1のミーティングなどは絶対に行わないで下さい。
部下を心配する気持ちはわかりますが、まずは産業医との面談につなげるようにすることが重要となります。
産業医が精神科の医師でない場合等の対応策
事業者の選任している医師が精神科の医師とは限りませんので、メンタルヘルス疾患になってしまった従業員の方を放置しないことの対策として、セカンドオピニオン的に精神科専門の医師にも面談してもらうことが重要になってきます。専門医による面接指導を通してから、就業可能かどうかの意見をもらう事は重要となりますし、仮に裁判になった時も有力な証拠になります。

もちろん、医師の診断を受けた事(報告書、意見書など)も履歴として残しておきましょう。
「そこまでやらなきゃならないの?」と思われるかもしれませんが、訴訟に発展した際のコストを考慮すればやっておくべきです。
何故なら、裁判になった時、「法人はここまで配慮しました、しっかりと安全配慮義務を果たしています」とい事実(証拠)が何よりも重要となるからです。

また、産業医が専門外である事等を理由に面接指導を拒否した場合、外部の医師に「医師による面接指導」を依頼する事は可能ですが、外部委託等を利用してでも、精神科専門医に面接指導を依頼した方が良いでしょう。

必ず精神科専門の医師に依頼しなければならないという決まりはありませんので、専門ではない医師でも法律上は問題はありませんが、専門外の医師との面接指導の後に、さらにセカンドオピニオンを依頼するような2度手間にならずに済みますし、リスクを回避できるという点を考慮しても重要となるのではないでしょうか。

本来であれば、専門が精神科という産業医と契約を結ぶのが一番良い方法なのですが、実際は、ほとんどの法人が契約しているのは、精神科以外の分野の産業医になります。

高ストレス者を放置するリスクを回避したい、セカンドオピニオン的面談等でご相談がある方は、当社までご連絡ください。

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投稿日: 2020年6月12日 | カテゴリー: カウンセリング|ストレスチェック