ヒステリーについて

ヒステリー(ヒステリック)というと一般に何か原因があって一時的に興奮状態にある人を
「あの人はヒステリー(ヒステリック)だ!」と言ったりします

実は“ヒステリー”という言葉は今では専門的診断名はなく
DSM(アメリカ精神医学会が出版している精神疾患基準・診断基準
「精神疾患の診断・統計マニュアル」)には
昔“ヒステリー”と記されていたものですが、今では“変換症/転換性障害”とされています
“変換症/転換性障害”とは、器質的(元々ある備わった機能)には問題や異常がないのにも関わらず
運動機能や知覚機能に障害が起こるのです

わかりやすい例えで言うと“アルプスの少女ハイジ”の中に出てくる
クララが原因不明で歩行ができないのに、ある日突然に歩行ができるようになりましたね
まさにクララは“変換症/転換性障害”(昔でいうヒステリー)だったのです

この“変換症/転換性障害”を引き起こす原因はと言いますと精神分析的には
心理的葛藤が身体症状に移行されたと考えます

少し、専門的になりますが、この“変換症/転換性障害”というのは
”身体症状症および関連症群”という大きな枠に入っていています
その中に“変換症/転換性障害”というものが含まれるのです

ついでに、私たちにな馴染みのあるものとして、
この身体症状症の方がよく知られているかもしれませんでの
ここで説明します。もしかしたら御自身がそうである方もいらっしゃるかもしれません。
これは具体的な疾患名はつかないものの6か月以上、
御本人にはいつも身体不調の自覚があり不安が取れない状態です
例えば検査をしても異常が無いのに、めまい、しびれ、吐き気、消化器症状、
喉の違和感がある状態などがそうです
こういった症状は、結構、漢方薬で改善可能なことも多いので
漢方を得意とする医師に相談されてることをお勧めします


話は戻り、日本人が意味する「あの人、ヒステリーだね…」という“ヒステリー”について話を進めます

私たちの意味する“ヒステリー”とは「少しの事でも怒る人」、「イライラする人」、「暴言を吐く人」
大抵こういった人々は、性格的なものが殆どですが、その中には障害や疾患が隠れている場合があります


~考えられる障害や疾患~

◎双極性障害(うつと躁が両方ある障害で躁の時の症状)
◎パーソナリティ障害 ◎月経前症候群(PSM)
◎更年期障害(男女)
◎間欠爆発症/間欠性爆発性障害(小児後期~青年期に多く、3ヵ月に平均週に2回ほど起こり
 30分も経たないうちに治まるのが特徴)
◎バセドウ病
◎境界性パーソナリティ障害


~性格的なものとして考えられるのは~

●ネガティブ思考
●実力がない(上手くいかない)自分に本当は苛立っており、それを無意識に周囲にぶつけている
●自分の実力を誇示しようとしている
●間違ったコミュニケーションを取得してしまっている
 (例えば、飼い主にも吠えてしまう犬のようにいわゆる間違った訓練をされ、
  覚えてしまい、反射的に出てしまう)
  怒鳴ったりヒステリー(ヒステリック)になることで周囲がその怒鳴った人の
  いう事に従うようになっている)
・偏ったコミュニケーション(怒鳴れば、あるいは抑圧的な態度)を取ることによって人を支配できる
・自分に得のある人にしか利益を見いだせない(利益ある以外の他の人は邪険にする)
●こんなはずじゃなかったと、いつも人生、後ろ向きの人


【ヒステリーの人に対する処方】
障害や病気の場合は病院へ…
その他、一般的には…

怒鳴られたり、怒られたりしたら、その人にあなた自身の心や感情を呑みこまれないようにすることです
怒鳴る人は、その人に問題があるのです
社会人は普通、すぐに人前で怒鳴ったりしません
建設的な意見や、やり取りをするものです

ではどうすると怒鳴る人が聴く耳を持つ野でしょうか?
怒鳴る人が尊敬する人に正される、
あるいは、取り返しのつかない社会的制裁を負うなど…
または、内省を促されるなどです
しかし、これも結構、ハードル高い課題です。
では具体的にこういったヒステリーの方々に遭遇したらとるべき対応は…

・上司の場合は、何をしても怒るので、その人の部下をやめるしかない
・同僚の場合はなるべく避ける
・妻や夫の場合はよく話を聴いてあげる(その時、解決策を提案しないこと!)
 その際に大切なのは、黙っているとまたそのことを叱られるので
 「ちゃんと聴いてるよ、君は○○〇と言っているんだね。」と
  彼女あるいは、彼の言いたいことを要約して返す
・その他:ヒステリーの人には一人になる時間を与える

どうでしょうか…
とはいうものの、やはり怒鳴られたり、相手がヒステリックになると自然とこちらも普通は委縮してしまいます

しかし想定以上に委縮してしまう方は、こんなことはなかったでしょうか?
御自身の育ったご家庭にも怒鳴ったり、直ぐにヒステリックになる方がいたのではないでしょうか?
そのことに気付いたら、その呪縛から解かれてみて下さい
原因が自分の性ではないとわかった時、ヒステリーになられたり、怒鳴られても
前のように強く動揺することが少なくなりますから


投稿日: 2016年6月4日 | カテゴリー: メンタルヘルス タグ: