ゲーム依存・ネット依存について

11月に開催された嗜癖行動学会(in秋田)に参加してきたので
最新情報をお伝えいたします。

現在、子どもをはじめに中高年までも
薬物や、ゲーム依存が増加しており、世界的に問題となってます。

【依存症について…】 まず、嗜癖とは

〇ある事を好んでする癖
〇あるものの刺激を絶えず求める傾向

つまり、あるものに絶えず依存してしまうことなのです。

依存には大きく分けて「物質依存」と「行動依存」があります。
あまり耳慣れないかもしれませんが
この依存問題は私たちのすぐ身近にあり、
苦しんでいる当事者、そのご家族は少なくありません。

例えば、物質依存には…タバコ、お酒、覚せい剤(薬物)があり、
この物質を害があるので止めたいのに止められないものを物質依存になっている状態。

行動依存では…ゲーム、ギャンブル、窃盗、食べ吐き等があり、
これらの行動が生活の支障になっており、止めたいのに止められない状態。
この中で身近なものとして挙げられるのは、
タバコやお酒、そしてゲームやユーチューブです。

今回は身近な依存としてゲーム・ネット依存を御紹介します。
先ず、依存であるか否かとして
いくつか簡単な質問項目があります。

今回はゲーム・ネット依存を例にしてチェックしてみてください。

【ゲーム・ネットの依存チェック】

●ゲーム・ネットのことで頭がいっぱい。
●ゲームの禁断症状
●長い時間ゲーム・ネットしないと満足できない
●ゲーム・ネット時間が守れない・減らせない
●問題が起きているがゲーム・ネットを続けている
●ゲーム・ネットが生活の中心になっている
●ゲーム・ネットによる問題がある

<結果>
いくつあてはまったでしょうか?
◇0個…今の「今のままでよい、しかしゲーム・ネット時間に気を付けて」
◇1個でもあると…「依存の可能性、専門家に相談を」
◇2個以上だと…「ゲーム・ネット依存です。専門家に相談してください」

依存や嗜癖には,その依存それぞれの治療がありますが

依存予防策は…
1:ゲーム・ネット依存とは?と依存の事を知ること
2:ルールを守って使う
3:ゲーム・ネット以外にも楽しい事を持つ。

もしこんな症状(以下)があったら、是非とも専門家へ御相談ください。
しかし依存の相談機関は、まだまだ日本には大変少ないです。
もし御相談するなら…
心療内科、及び関係医療機関、臨床心理士、公認心理師のいる機関へ問い合わせされることをお勧めします。

WHO(世界保健機関)※1が定めた基準というものがありますので、
どのようになると依存傾向があるかを合わせて記載します。

1:「ゲームをする時間や頻度を自分で制御できず、
  ほかの活動よりもゲームを優先させる程度が甚だしいこと」
  つまりゲームのコントロールができない
2:「ほかの関心や日常的な活動よりゲームが優先で、日常よりゲームを優先する」
   つまり、食べる時、寝る間も惜しんででもゲームをしてしまう

3:「悪影響が生じていてもゲームを続ける、または増やす」
  つまり途方もなく多くのゲームをする

もし依存になってしまったら…
ゲームを取り上げてもまたゲーム依存に陥るので、
大切なのは、依存者自身が決心をして自分の行動を制していくことのようです。
そうでないと同じ事を繰り返すといわれています。

また、専門家の間では、傾向として発達障害傾向のある方が
よりこの依存に陥りやすいとも言われています。

最後に…大切なご家族、お子さんをゲーム・ネット依存にしない方法としていくつかご紹介します。

1:ルールを作る(1日の使用時間)

2:今のゲームの知識を大人(管理者)も知っておくこと

3:ゲーム・ネット以外の楽しい活動を知らすこと

4:ネット・ゲームをしたら記録を付けること

これらを参考にゲームに支配されるのではなく、
自ら、ゲーム・ネットをコントロールできるようにしていきましょう。

※1 WHO(世界保健機関):人間の健康を基本的人権の一つと捉え、
その達成を目的として設立された国際連合の専門機関(国際連合機関)
参考資料:WHOは5月25日、加盟国の投票により、
「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の第11回改訂版
(ICD-11)を承認した。ICD-11では、「ゲーム障害」を
疾患と定義している。発効は2022年1月からだ。
(ニューズウイーク日本版 2019年5月29日)