認知行動療法はアメリカからの輸入もの…いまだそのまま使用?!

認知行動療法はそもそもBeck,A.T.(ベック)の認知療法からきています
そして行動療法と認知療法を効果的に組みあわせたものを
認知行動療法と呼んでいます

現在ではベックの認知療法を“認知行動療法”と
呼ぶのが世界の主流となっています
よく認知行動療法が日本人には本当は合った療法ではないか?
と疑問を持つ専門家も多くいます

なぜならば、欧米と比較すると日本人は感情的な部分が優勢で
以心伝心のような文化が背景にあるからだと言われています

そのことに対して、認知行動療法の大家は反論し論文を書いております
その論文によりますと丹野ら(2011)のメタ分析では
(※メタ分析とは分析の分析で複数の研究論文を収集しそこから比較検討して分析研究すること)
国内においての研究効果は見いだせなかったという事です

そこで更に佐藤・丹野(2012)は国内で行われた治療効果研究についてもう一度検討し
結果として認知行動療法には効果があるとしています
出典:佐藤・丹野「日本における心理士によるうつ病に対する認知行動療法の系統的レビュー」
行動療法研究、38、157167、2012

この研究では論文を12本使っており、それは2008~2012年のものです
そのうち10本の論文は2010年以降の新しいものでした
そして結論も「認知行動療法は西欧で生まれたので
西欧人には効果があるが、日本人には効果がない」という説は誤まりだとしています

しかしながら12本の論文のうち10本は対照群を設定しておらず
前後の比較に基づいていて、ランダム化によらない対照群を用いた比較する研究は1本だけで
残りの1本だけは無作為割付対照試験(客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法)でした
このようなことから、やはり100%欧米人のものとして作成されたものは
我々日本人に向いているとは言い切れるとは言い難いかもしれません

実は同じことを思う研究者もおり
日本人向けの認知行動療法を15年もかけて実践していました
欧米人のような圧倒する論駁ではなく質問というゆるやかな対話を通していくスタイルのようです
今や保険適用となった認知行動療法なので、もっと日本人向けに治療スタイルを
構築していくことを一臨床心理士として努力していきたいと思っています


投稿日: 2016年1月8日 | カテゴリー: 心理療法 タグ:

認知行動療法とは (cognitive behavioral therapy:CBT)

人の認知(考え方)と行動に焦点をあてた心理療法のことで
科学的根拠に基づく心理療法であり医学分野でも研究され実践されているものです

元々は学習理論(S-R理論)の条件づけ
(情動と随伴する刺激を同時または継時して提示することで、
行動を制限したり増加したりす る)
を応用している行動療法から発展しています

行動療法には自分の考えの癖といった認知的な視点に加え
社会的学習理論(モデリン グ)を含む新たな理論構築により展開しています
先駆的にベックの認知療法、エリスの情動行動療法の理論があり
研究者により更なる発展を遂げている

認知行動療法が実施される対象は
感情障害、パーソナリティ障害、発達障害、不安障害、PTSDなど様々です
また、悩みを抱えている方に合わせた療法の適応性を考 えていくため
患者さんクライエントさんの状態によって簡易的なメンタルケアとして用いることもできます

難しい用語抜きにすると認知行動療法は
「あなたの考え方を知ろう。考え方を見直すと行動も変化あるよ」といった心理療法で
同じ失敗を繰り返すタイプの方には有効的な手段と言えます