ICT産学連携メンタルヘルスフォーラムに参加して

去る3月9日東京大学において第一回ICT産学連携メンタルヘルス・フォーラムに行ってきました。
以前にも同教授が企画したマインドフルネスについての講演を聞きにお邪魔したこともあり、今回のフォーラムの案内を受けた時には即座に申し込みしました。
事業者向けメンタルヘルスの専門会社としましてはとても興味深いICTとどのように連携していくのかという点とストレスチェック後の対策に活用が可能かなどが知りたく当日は参加しました。
当日の内容ですが
1.職場のメンタルヘルス対策は、本当に役立っているか
2.組織活性化とメンタルヘルスの融合に向けて
3.ICTメンタルヘルスの有効性
4.ICTポータルサイトを活用した人材育成とメンタルヘルスの融合
5.ICTメンタルヘルス最前線

さて私が印象的だったのは言葉は今国会では成立しなかった「働き方改革」は実は「働かせかた改革」ではないか?!(労働者のためではなく事業者のための改正)
また興味深かった内容は今企業が行っているメンタルヘルス対策はあまり役立っていないのではないか?!と職場のチームワーク育成ツールなどでした。

企業のメンタルヘルス対策が従業員の精神的健康度にはほとんど関連しない可能性があるという考察には多くの企業で導入されているEAPですが効果を感じられないとよく聞いていたので、「やはり」という思いがしました。しかしメンタルヘルス対策が労働者の安心感に繋がっているので従業員のメンタルヘルス改善と切り離し保険と考えれば一定の効果があるのでしょう。

チームワーク育成のためのツールですが、講演後実際にやらしてもらったのですが、ルールに沿って進めればそれぞれの自己開示がなされチーム内のコミュニケーションが改善され関係性が良くなるというとても面白い着眼点で作られていると感心しました。
研修で使われる「ジョハリの窓」や産業カウンセラーの学びで行われる自己開示パターンとよく似ているのでとても印象的でした。

メンタルヘルス対策といっても「これさえやれば大丈夫」という絶対的方策がなく、すでにメンタルヘルス対策を進める大企業は担当部署が模索しているのが実情のようですし、また中小企業は専門の人材を雇っていないので、福利厚生の枠を超えたものはなく、ほぼ無策な事業者も多いようです。ストレスチェックも3度目ともなるとそろそろ次の手を考えでいる事業者も増えているので、今後ともサポートするためにも専門性を磨きたいと感じたフォーラムでした。

by 臨床心理士 木村晃子

2018年3月16日
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