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            神保町もりたメンタルクリニック 
 院長 森田徹
 ~休職されて、復帰が長期化もしくは困難な方が増加傾向~ 
 労働力の減少 
 →残っている労働者の負担UP
 →メンタル不調者増加
 →休職者増加
 →労働力さらに減少
 という負のスパイラルにおちいる可能性があり、
 そのように実感されている方も少なくないのではないでしょうか?!
 実際、当院を受診されている患者さんでも、過重労働、人間関係など 
 職場での問題からメンタル不調を訴える方が明らかに多く、
 医師の立場とすると職場の異動や労働時間など配慮をしたいのですが、
 実際のところ難しいのが実情です。
 では実際に何をすればよいのか、 
 医師として具体的にいくつか御提案をしたいと思います。
 
- <予防・早期発見の重要性>
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            よく言われるのが予防と早期発見です。 
 では、具体的にどのようにすればよいかと申しますと 
 ”ストレスチェックの有効活用”を行うことです。
 特に”ストレスチェック後の高ストレス者に対しての提案” 
 休職となる前に、専門(精神科)の医師との面接、 
 治療、臨床心理士によるカウンセリング、CBT(認知行動療法)などを受ける
- 次に休職してしまった後について<“リワークの重要性”について>
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            メンタルヘルスの不調は症状がいったん改善したあとも、 
 職場への復帰は、勤務に対する強い不安や焦りから、長期化する傾向があります。
 企業によっては完全に復職する前段階として 
 「ならし勤務」などの支援がありますが、
 自宅での療養からいきなり会社生活に戻ると
 通勤や勤務によるストレスがかかり、
 再発というケースも少なくありません。
 昨今のニュースでも取り上げられていましたが、 
 うつ病で休職後、会社に復帰し再発する人の割合は
 おおよそ50%と言われています。
 こういう現状を踏まえたうえで企業向けのメンタルヘルスとともに、 
 重要になってくるのがリワークプログラムになってきます。
 療養生活から復職までの間に、専門的なプログラムを挟むことで、 
 復職までに必要な訓練、再発予防のため知識・スキルなどを
 学びながら復職を目指します。
 病気から回復後、すぐに職場へ戻って働きはじめることは 
 非常にリスクが高いため、いきなり復帰するのではなく、
 医療機関に通院と並行し、リワークプログラムを実践することが
 再発予防につながっていくと考えられています。
 リワークプログラムとはオフィスに似た環境で 
 実施される多種多様な復職支援プログラムのことで、
 再発リスクを軽減することを目標とし、
 個々の病状・ペースに合わせて行っていきます。
 最初はゆるいストレスから、徐々に強い負荷をかけていくことで 
 心と身体を慣らし、社会生活に対応することを促していきます。
 職場復帰を想定し、会社で働いていたような生活リズムに戻すため 
 時間通りに寝起きすること、職場に似た環境でのトレーニング、
 社会生活で必要となるコミュニケーション能力の向上などを目指します。
 休職中の療養生活から会社への復帰を 
 スムーズに移行させることが最大の目標となります。
 また、リワーク・プログラムでは再発予防も目標の一つであり、 
 復職後、同じように調子を崩さないために、疾患教育、心理教育などを通じて、
 必要な知識の習得と対応を学び、休職に至った経緯などを振り返り、
 臨床心理士などの専門知識を有するスタッフと話し合い、
 気持ちの整理や復帰までの心の持ちようなど相談していきます。










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